生物科学研究所 井口研究室
Laboratory of Biology, Okaya, Nagano, Japan
北海道・稚内,ホタルのテレフォンカードと文化昆虫学
井口豊(生物科学研究所,長野県岡谷市)
最終更新:2024 年 3 月 25 日
2018 年 7 月 21 日に,第 51 回全国ホタル研究会が,北海道・稚内市で開催された。私の発表は,全国ホタル研究会誌において,ホタルの文化昆虫学が議論されるようになってきたのは, 1995 年に日本が生物多様性条約を締結した頃からであることを統計的に明らかにしたものであった。
井口 豊(2018)
ホタルの文化昆虫学研究史 全国ホタル研究会誌を例として
全国ホタル研究会誌,51: 6-8.
当日,記念品として贈呈されたのが,ホタルのテレフォンカードだった。
前胸背の斑紋から見て,ヘイケボタル(Luciola lateralis)を表しているのだろう。
約 20 年前に作成されたようだが,私は全然知らなかった。カードに添えられていた作成経緯の説明から,全国ホタル研究会の理事でもあった平沼道弘さん (2017 年 4 月 15 日逝去) が,稚内にホタルの郷が出来ることを願って作成されたようだ。
今では,文化遺産的な価値を持っているとも言えるテレフォンカードと日本を代表する文化昆虫であるホタルの組み合わせ,実に,見事であり,文化昆虫学的観点からも興味深いアイテムである。
日本におけるホタルを含む昆虫類の文化学的な位置づけは,以下の Wikipedia 参照してほしい。日本を代表する文化昆虫学者である高田兼太が,我が国における文化昆虫学と神道の関連性を論じた研究が紹介されている。