生物科学研究所 井口研究室

Laboratory of Biology, Okaya, Nagano, Japan

Cronbach α と Kuder-Richardson 20 信頼性係数

井口豊（生物科学研究所，長野県岡谷市）
最終更新： 2023 年 8 月 9 日

1. はじめに

二値変数（バイナリーデータ，ダミー変数とも呼ばれる）に対して， Cronbach の α と Kuder-Richardson 20 信頼性係数の対応関係を調べた。

1 万回のシミュレーション計算に， 5 項目， 20 個の 0, 1 乱数データとして入力された。　Cronbach の α と Kuder-Richardson 20 それぞれの算出に， R パッケージとして， DescTools と validateR が使われた。　

2. 計算スクリプト

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library(DescTools)
library(validateR)

set.seed(101)

res<- replicate(10000, {

  dat<- data.frame(
    item1 = sample(c(0,1), 20, replace=TRUE),
    item2 = sample(c(0,1), 20, replace=TRUE),
    item3 = sample(c(0,1), 20, replace=TRUE),
    item4 = sample(c(0,1), 20, replace=TRUE),
    item5 = sample(c(0,1), 20, replace=TRUE)
  )
  
  c(CronbachAlpha(dat), kr20(dat))

})

alpha<- res[1, ]
KR.20<- res[2, ]

plot(
  alpha, KR.20,
  xlab =  "Cronbach's alpha",  
  ylab =  "Kuder-Richardson 20",
  xlim = c(0, 1), ylim = c(0, 1)
)

abline(0, 1, col = "red")
abline(h = 0)
abline(v = 0)

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結果は，次の図 1 のとおりである。

グラフ左下を見ると分かるが，計算上は，両係数ともマイナスになりうる。いわゆる逆転項目が逆転されないで入力されたようなケースである。したがって，ここでは両係数ともプラスになる範囲に限定して，グラフを示してある。

Kuder-Richardson 20 のほうが， Cronbach の α よりも，やや大き目な数値となることが分かる。しかしながら，両者には，ほぼ直線的な対応関係がある。